- Photoshopのマスクについて No1〜クイックマスク
- Photoshopのマスクについて No2〜レイヤーマスク
- Photoshopのマスクについて No3〜ベクトルマスク
- Photoshopのマスクについて No4〜クリッピングマスク
マスクについて
マスクがよく理解できない方は選択範囲とマスクがゴッチャになってしまい、整理できてない場合が多いようです。
マスクとはマスキングテープと同じ働きをするものです。画像の必要のない部分を覆って隠す機能の事をいいます。
マスクは選択範囲の逆の領域です。選択範囲以外はマスキングされた状態ともいえます。
マスク部分と選択範囲は相反する領域の事をいっているだけです。
選択範囲とは
まず、選択範囲の簡単な例を見てみましょう。
次の写真は林檎の写真に丸い選択範囲を作りました。
次の写真は選択範囲に赤の描画色をブラシで塗りました。
選択範囲だけ赤く塗れました。選択範囲以外はマスクされた状態ですから赤い色は塗れません。
ここで選択範囲を保存してみましょう。
選択範囲はすぐに消えてしまう一時的なものです。せっかく細かく選択したものは保存しておきたいものですね。
Photoshopは選択範囲を保存することができます。
選択範囲の保存はメニューの「選択範囲」⇒「選択範囲の保存」か、次の図の赤い矢印の先のボタンをクリックして行います。
保存した内容はチャンネルパネルの中にアルファチャンネル(任意の名前を付けることができます)として保存されます。
ここで保存されたアルファチャンネルを見てみましょう。
選択範囲は白、そしてマスク部分は黒になっています。これが選択範囲とマスク部分の見分け方です。
選択ツールを使用して詳細な選択範囲を作成してアルファチャンネルとして保存すると白い部分が選択範囲に合わせて出来上がっている訳です。そして選択範囲とマスク部分は相反するものですからマスクの範囲を作成すれば自ずからマスク範囲以外は選択範囲として出来上がることになります。
結果的には選択範囲を作成することになりますのでどちらの手法を使用しても良いのです。仮にマスク範囲を一生懸命に作成したために必要な選択範囲の逆を作成してしまっても「選択範囲の反転」で反転させるだけのことです。
ではマスク部分をグリグリ作成してアルファチャンネルの黒い部分を作るにはどんな方法があるのでしょうか。
前置きが長くなりましたが今回のテーマはここからです。
Photoshopのマスクの種類
- クイックマスク
- レイヤーマスク
- ベクトルマスク
- クリッピングマスク
Photoshopのマスクには4つの方法がありそれぞれの特徴をよく理解して使い分けるようにします。またそれぞれ組み合わせて効率的なマスク作成を行います。
1,クイックマスク
クイックマスクとはその名のとおり素早くマスクを作成できるマスク作成ツールです。
マスク作成ということはそれはすなわち選択範囲以外の部分を作成することです。
選択範囲を作成するツールはツールパネルに投げ縄ツールからクイック選択ツールまで手動選択ツールから自動選択ツールまでさまざまなツールが用意されています。でも、マスクを作成するツールは見あたりませんね。それはマスクを作成するということは何度も繰り返しますが選択範囲を反転することでもあります。選択範囲を作成してメニューの「選択範囲」⇒「選択範囲の反転」を選べばそれはマスクしていた部分が選択範囲になるわけです。だから選択ツールがあればマスク作成ツールなど必要ないのです。
けれども効率よく選択範囲を作成するにはマスクを調整する方がいい場合もあります。で、登場したのがこのクイックマスクになります。
クイックマスクはブラシで色を塗る感覚でマスク部分を作成することができます。
自動選択ツールの多くは色の違いを認識しながら選択範囲を決めていますが、クイックマスクはブラシで着色する感覚でマスク部分を決めていきます。つまり手動でマスクを作成するツールです。これが結構使いやすいのでしっかり覚えていきましょう。
林檎の写真で試してみましょう。
ツールパネル下部にあるクイックマスクモードで編集ボタンをクリックしてクイックマスクモードにします。
後はブラシでマスクしたい部分を塗っていきます。ブラシの色は黒か白で塗ります。黒で塗るとマスクされ、白を塗るとマスクがはずされます。(消しゴムでも可)黒で塗った部分は黒くならずに半透明の赤になります。もし黒く塗られたらクイックマスクモードになってない場合がありますので再度モードを確認します。
描画色を黒、背景色を白にして描画色と背景色を入れ替えながら作業すると効率的です。描画色と背景色の入れ替えのショートカットはキーボードのx(エックス)です。またブラシの大きさを変更するショートカットは、ブラシサイズを小さくするにはリターン(enter)キーの左側にある括弧のキー「 大きくするには 」のキーを使用します。これらのショートカットは作業を行う上で便利ですから覚えておきたいものですね。
「クイックマスクモード」でマスク部分を塗りこんでいくとチャンネルパネルにはクイックマスクのアルファチャンネルが一時的にできています。これは「クイックマスクモード」を「画像描画モード」(通常の状態)に戻すと消えてしまいます。保存したい場合は一旦「画像描画モード」にして選択状態を作ってから選択の保存で保存します。
「クイックマスクモード」で編集が終了して「画像描画モード」に戻すとマスクした部分以外が選択された状態になります。
さて、実際にクイックマスクを使用する時は今紹介したように最初からマスク部分を塗りこんでいくことは無いと思います。現実的には「画像描画モード」(通常の状態)で大まかな選択を自動選択ツールなどで行い、その後「クイックマスクモード」にすると選択範囲以外のマスク領域に半透明の赤色が塗られた状態になります。後は選択範囲とマスクの領域を塗り分けて仕上げていきます。選択ツールと上手に組み合わせて使用しましょう。
「クイックマスクモード」で編集ボタンをダブルクリックするとオプション設定ができます。マスク部分の半透明の赤色を変更できます。マスク部分の色が赤系統の場合マスクとして塗った色の判別が難しくなりますのでマスク部分の色を変更すると良いでしょう。
また、着色表示を「マスク範囲に色を付ける」から「選択範囲に色を付ける」に変更できるようになっています。
これは、選択部分に着色されることになります。どうしてもマスクの概念が分からない場合などに使用するとよいでしょう。
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